1. HOME
  2. 歴史
  3. 金具屋の建築
  4. 文化財:木造大宴会場「大広間」について

文化財:木造大宴会場「大広間」について

類をみない巨大木造宴会場

類をみない巨大木造宴会場

建築概要

名称:金具屋大広間
建築年:昭和11年(1936年)/昭和25年改築
棟梁:三田清助(宮大工) 小布施出身
構造:木造二階建、鉄板葺、建築面積322㎡

時代背景:
鉄道網が発達し観光旅行が広まってきた時代。特にメジャーだったのが社寺への臨時列車をつかった団体参拝旅行。大正末期に長野鉄道(現・長野電鉄)が渋温泉まで延線されることになり、団体列車の200名、300名といった人数を一堂に会することができるような大きな会場をつくろうと計画します。結果、座敷は130畳、舞台や床の間、廻り縁の廊下も入れると200畳という巨大な木造宴会場となりました。金具屋の宿泊者だけでなく、地域一帯の会場としても使用していた為、当初は名前を「温泉会館」としていました。渋温泉の北側の山の中腹に建てられています。

デザイン:
大広間は座敷130畳柱無しの空間を実現するために、通常の梁ではなく、三角形の構造を組み合わせる面によって屋根を支えるトラス構造となっている(富岡製糸場と同じもの)。しかし様相は純日本式であり、広い舞台の対面には床の間があり、畳、障子、折上げ格天井といった和室の要素を組み合わせています。これは西洋の構造に和の要素を入れた近代版擬洋風建築といえます。ところが昭和20年2月に大雪の為座敷部分が倒壊、昭和25年に再建したものが現在の姿。その際に格天井の内側の一枚板が手に入らず、やむなく三枚の板を並べています。そこに化粧を行ったのが内側の井桁。便宜上、二重格天井と呼んだりしますが、本来の二重格天井とはまったく違うもの。大変ユニークな例としてこの大広間の特徴となっています。材料は主に杉、松。座敷にかかる巨大な絵画は昭和30年代に地元の画家により現地で描かれたものです。

毎日夕方に宿泊者限定で行っている「文化財巡り」ではさらに詳しく斉月楼についてご紹介しています。建築にご興味のある方はぜひご参加ください。

登録有形文化財

金具屋大広間は文部科学省の登録有形文化財に認定されています。

登録番号:20-0137
登録年月日:
原簿記載 平成15年7月1日
官報告示 平成15年7月17日(文部科学省告示 第129号)
通知 平成15年7月17日(15庁財 第128号)

登録基準:二 造形の規範となっているもの

特徴・評価:
斉月楼と同時に建設された170畳の大広間。一時大雪の為屋根を大きく痛めたが、昭和25年に修復されている。外観は斉月楼と比較して質素な意匠とするば、内部の折り上げ格天井など見るべきものがある。木造和風旅館建築の大広間の好例である。