文化財:木造四階建「斉月楼」について
再建不可能な木造建築
再建不可能な木造建築
建築概要
名称:金具屋斉月楼
建築年:昭和11年(1936年)
棟梁:三田清助(宮大工) 小布施出身
構造:木造四階建、鉄板葺、建築面積172㎡
時代背景:
地方の温泉場といえば、地元の人間の湯治、療養、遊興や歓楽のためのものであったのが、明治から大正にかけて鉄道網が伸び、善光寺への観光旅行が盛んになってきました。また大正時代の民衆化運動により、一般庶民でも高層建築や豪華な建物が建てられるようになり、明治時代に日本に大量にはいってきた西洋の建築技術もとりいれた非常にユニークな建物が建てられた時代です。同時期の建物には、富士屋ホテルの花御殿、目黒雅叙園、台湾のキュウフンの街並みがあり、現在では擬洋風建築とも呼ばれています。
デザイン:
斉月楼は長さ八間半(約15m)の通し柱を13本、建物を囲うように立ち上げ、内部は四層に分かれています。東側を階段の区画にし、吹き抜けの最上階部分には富士山をあしらった窓と月を模した照明が配置されています。部屋を一軒一軒の家に見立て、廊下を外に見立てており、それぞれの部屋でそぞれぞれの廊下ですべて違う造りとなっているのも特徴です。水車の部材を使用したデザインなども当時のもので、伝統的なやり方よりも極端な遊び心があらゆるところで見られます。材料は主に杉、松、ケヤキといった地元の木材を使用。内装はべんがら塗という、信州ではあまり例のない真っ赤な壁も特徴です。
毎日夕方に宿泊者限定で行っている「文化財巡り」ではさらに詳しく斉月楼についてご紹介しています。建築にご興味のある方はぜひご参加ください。
登録有形文化財
斉月楼は文部科学省の登録有形文化財に認定されています。
登録番号:20-0136
登録年月日:
原簿記載 平成15年7月1日
官報告示 平成15年7月17日(文部科学省告示 第129号)
通知 平成15年7月17日(15庁財 第128号)
登録基準:二 造形の規範となっているもの
特徴・評価:
湯田中・渋温泉の旅館建築。木造4階建、入母屋造、鉄板葺。昭和8年起工、同11年竣工で、内部は主として客室とする。外観・内装ともに数寄屋風の様々な意匠をちりばめ、細部も細かく造り分け、非日常な空間を現出する。温泉旅館建築の好例である。

