お客様の料理の嗜好はさまざま。
お肉の好きな方も、魚の好きな方も、またボリュームを求める方、小食の方など千差万別です。オーダー制ではない旅館の料理では対応しきれない面もあります。
しかし元来、温泉場というのは病気を癒したり、身体の疲れを取ることで『健康になる』為の場所です。
また、私どもの信州は、日本でも指折りの長寿国。
これは信州に多くある温泉の恵みと、信州特有の食材、食文化によるものであるといっても過言ではないでしょう。ぜひ信州に来られたみなさまには、温泉と食事で身体の内外から健康になっていただきたいと思い献立を考えております。
料理のスタイルについて
金具屋のお食事は「宴会会席」とよばれる様式をとっております。
「会席料理」は、宴会の酒の肴として料理が並べられるものです。「懐石」と音が同じ為混同されることがありますがまったく異なるものです。汁とご飯が最後に提供されるのはその為です。
そして日本の宴会は、自由に席を立ち、お酌にまわりながら歓談をしていくものであり、席から離れず一品ずつ料理を楽しむものではありません。
温かいものを温かいうちに、冷たいものを冷たいうちに食するというのは、席を立つことがない場での料理であり、席を離れることの多い宴会では、提供後冷めて味が落ちるものは基本的には用意しないのが原則でした。(のちに温かくして食べるものは固形燃料等で個別に温められるようにするスタイルになりました)
したがって当館では、固形燃料で温めるもの以外はほとんどが常温で提供するものです。旅館の料理が多種多様になり、宴会自体もほとんどなくなっている現代では珍しい(時代遅れ)かもしれませんが酒を楽しみ、歓談を楽しむ旅館料理の文化ですので、ご理解の上、お楽しみいただければと思います。
※ごはんを先に食べたいという方はおっしゃっていただければご用意いたしますので、会場にてお申し付け下さい。
夕食の一例(スタンダード)
スタンダードの夕食メニューは当館オリジナルの地鶏の治部煮の信州仕立て「しぶのじぶ煮」。他さまざまなきのこ料理と信州サーモンのお造りなどです。山里ですので華やかさはありませんが、田舎の料理を地元の酒と共にお楽しみいただければと思います。
お品書き一例
・食前酒「あんずのお酒」
・安曇野わさび漬け
・季節の八寸
・しぶのじぶ煮(地鶏と根菜の鍋)
・信州サーモンの昆布〆
・凍み豆腐の炊き合わせ
・きのこの土瓶蒸し
・あげだし木の葉隠し碗
・信州とろろそば
・なめこと原種エノキの汁
・香の物
・デザートと季節の果物他
(2017年4月現在)※季節により若干内容に変更がございます
特別メニュー(信州牛鍋プラン)
特別メニューとして上記スタンダードの治部煮を「りんごで育った信州牛」の牛鍋に変更するプランもございます。すき焼き風の個人鍋、レトロな牛鍋プランです。
※特別に取り寄せるお肉ですので当日の変更はできません。お電話の場合は事前にご予約下さい。ネットでのお申し込みは牛鍋プランをご選択ください。
特別メニュー(信州牛しゃぶしゃぶプラン)
同じくスタンダードの治部煮を「りんごで育った信州牛」の牛しゃぶしゃぶに変更するプランもございます。お肉の量が牛鍋の約2倍となります。肉本来の味を楽しみたい方はぜひお申し込みください。
※特別に取り寄せるお肉ですので当日の変更はできません。お電話の場合は事前にご予約下さい。ネットでのお申し込みは牛しゃぶプランをご選択ください。
りんごで育った信州牛とは
飼料に完全無農薬・無添加のりんごを使用し、志賀高原の麓の牧場でのびのびと育てた和牛。くさみの無い、とろけるような舌触りは、有名ブランド牛にも決して負けません。
―「りんごで育った信州牛」ができるまで
「信州牛」をどのように肥育すれば、全国に誇れるおいしい肉を提供できるのか。昭和40年代初頭、奥信濃の畜産家たちは、この命題に取り組みつづけていました。彼らが着目したのは、「りんごを牛に与えると食欲回復になり、病気になりにくい」という、この地域で古くから伝えられる餌のヒントでした。通常、牛の肥育は運動を制限しながら高栄養の飼料を与えるため、運動不足から食欲不振、病気になることがあり、どの畜産家にとっても悩みの種になります。ところが、りんご特有の酸味が牛の食欲を刺激するためか、食欲の回復に卓抜な効果を表し、健康で病気にもなりにくいことも分かりました。研究会のメンバーは肥育段階に合わせて地元で栽培されるりんごを与え、その他穀類、ヌカ、味噌豆の煮汁、豆腐かす、酒粕、などを混合した生エサを開発。これらはすべて、地元の加工生産物から生み出される副産物で、豊富なタンパク質やビタミンが豊富に含まれています。環境保全に役立ち、良質な霜降り牛を生み出すという効果もあったのです。
こうして「りんごで育った信州牛」が世に送り出されることになりました。苦労を重ねて育てあげたブランド「信州牛」は、いまも地元の生産者たちによってその育成方法が受け継がれています。
―(ここまで長野市すき亭ホームページより引用)
当館のりんごで育った信州牛は同町にある創業家「福田屋」から仕入れております。
生産者ホームページ 福田屋 http://www.ringogyuu.com/